日本全国を巡って集める 船の御朱印 「御船印」

御船印めぐりガイド

連載記事

【御船印をめぐる旅】
日本最北の航路、心満たされる旅

船会社:ハートランドフェリー

公開日 2024年05月15日
更新日 2024年05月15日

日本最北端や最西端など、〝最果て〟への旅には心躍るものがあります。御船印めぐりプロジェクトでは、移動距離や時間、金銭面などを総合的に見て、「集印の難易度が高い」と言われている船会社は、やはりそうした地域を運航しており、収集意欲に駆られる利用者もいるように思います。

その代表的な船会社は、日本最北のフェリー航路を持つハートランドフェリー。同社は、日本最北の有人島である北海道の利尻島・礼文島と稚内、また北海道最西限に位置する奥尻島と江差の間を運航しています。

利尻山を背後に利尻島・鷲泊港を出港するアマポーラ宗谷(ハートランドフェリー提供)

江戸時代、河村瑞賢が開拓した西回り航路の最終到達地は蝦夷(えぞ)地(北海道)でした。大坂(大阪)を出帆した北前船は各地で交易をしながら北へ向かい、利尻島や礼文島のニシンやコンブなど海産物を載せて大坂へ戻っていきました。また、奥尻島は北方のオホーツク文化と本州の影響を受け、南北の交易地として発展してきたのです。

1934(昭和9)年に創業したハートランドフェリーは、この島々の暮らしを支える定期船でありながら、昭和50年代はオホーツク海から稚内にやってきた流氷の観光船としても運航していたそうです。現在、稚内に流氷は来なくなりましたが、船上からは「利尻富士」の名を持つ雄大壮麗な利尻山や、クジラやイルカ、トドなどの海獣が見られます。そして島に着けば、5月から10月ごろまでは、花咲き誇る地上の楽園が旅人を出迎え、冬は雪化粧をまとった幻想的な世界が広がります。

ハートランドフェリーの船舶は、「サイプリア宗谷」「アマポーラ宗谷」「ボレアース宗谷」「カランセ奥尻」の4隻。いずれも島の花から名付けられています。例えばサイプリアは、礼文島希少固有種のレブンアツモリソウにちなみ、アツモリソウの学名「サイプリペディウム」と国・地域を表す「IA」を合わせた造語です。花言葉は「君を忘れない」。

2020年に就航したアマポーラは、利尻島の希少固有種の「リシリヒナゲシ」にちなみ、ヒナゲシのスペイン語から名付けられました。花言葉は「思いやり」や「いたわり」を意味します。

吹き抜けの船内ロビー
アマポーラ宗谷のプライベートルーム「プレミアリーグブルー」

同社によれば、「社名にも、島民の生活に寄り添い、観光やビジネスで乗船する方にもおもてなしの心を大切にしたいという意味が込められています」。

船内のインテリアコンセプトも、心の旅や大自然の優しさに目覚める旅などをイメージしてデザインされています。

新造船の「アマポーラ宗谷」は、前方にアイランドビューシートが設けられ、島の雄姿を真正面から見られ、旅情に浸れる特等席。ほかにも、バリアフリー席やトラック・バスドライバールーム、ツアーの添乗員室などが設けられ、全ての人にとって優しい船となっています。

アマポーラ宗谷の船内
船上からみる利尻富士

御船印は2種類あり、「日本最北の島」と書かれた利礼航路に1枚と、「北海道最西限へ」と書かれた奥尻航路に1枚。御船印担当者は「収集難易度の高い日本最北の航路だからこそ、旅の思い出に残るように、両航路のシンボル的な景勝をデザインした」と話します。

真夏は、利尻・礼文・奥尻ではエゾバウンウニやキタムラサキウニが旬を迎えます。国内の最果てへ、ゆっくりと自然を感じながら旅情たっぷりの船旅・島旅はいかがでしょう。

アマポーラ宗谷の御船印
※写真/小林希
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