日本全国を巡って集める 船の御朱印 「御船印」

御船印めぐりガイド

連載記事

【御船印をめぐる旅】
女性社員の活躍、船旅活性の活路に

船会社:佐渡汽船

公開日 2024年05月15日
更新日 2024年05月15日

「御船印めぐりプロジェクト」を機に、さまざまな船会社と接する中で、女性社員の活躍を目にすることが増えました。例えば、佐渡汽船の女性社員と交流したことがあり、女性目線を意識した取り組みが印象的でした。

「佐渡汽船の土産物には、女性のハンドバッグに入る大きさのグッズを作る」
「女性社員が佐渡島や船旅の魅力を発信するブログの〝さどトリコ〟や手書き新聞の〝佐渡は東京23区よりも広いよ新聞〟を書いている(新聞は港で配布)」など。(取材した2022年当時)

2021年4月に始まった御船印めぐりプロジェクトにも当初より参加し、それも女性社員が中心に取り組んでいました。

ときわ丸のエントランスホール

佐渡汽船は、本土(新潟県)の新潟港と直江津港から佐渡島の両津港と小木港の間を運航しています。佐渡島は、日本の離島で最大の面積を持ち、豊かな自然といにしえから続く伝統文化や芸能が数多く継承されています。江戸時代には、北前船の西回り航路の一大寄港地として発展。1858(安政5)年に宿根木で建造された巨大な千石船を復元した白山丸が「佐渡国小木民俗博物館」に展示されています。

 また、「黄金の島・佐渡」と称されるように、日本の近代化に大きな貢献を果たしてきた佐渡金山があります。江戸時代に3人の山師が相川の金山を開山して本格的に採掘が始まり、国内最大の金生産地となりました。佐渡奉行所で小判の製造が行われ、国際貿易にも大きな影響を与えたのです。

御船印は、新潟港—両津港を運航するカーフェリーの「おけさ丸」「ときわ丸」、ジェットフォイルの「つばさ」「すいせい」「ぎんが」、直江津港—小木港を運航するカーフェリーの「こがね丸」と、船舶ごとに発行しています。

デザインには、新潟・佐渡島の魅力をぎゅっと詰め込んでいます。まず、御船印の用紙はコシヒカリの稲わらをすき込んだ「コシヒカリ紙」を使用。稲わらが無秩序に散らばり、1枚ずつ風合いが異なった表情を見せています。達筆な筆文字は、書道が得意な社員が書いたもの。佐渡汽船の「佐」の字の人偏は、佐渡島の形に見えます。

販売場所は当初港のみでしたが、「船内でも御船印を買いたい」という乗船者の要望があり、カーフェリー船内限定デザインとして、船長の絵柄が描かれた御船印も加わりました。

ときわ丸のイベントステージ。イベントがない日は2等室として利用可能
ときわ丸の船内スナックコーナー

さらに、オリジナルの御船印帳も販売しています。通常より少し小さいサイズの蛇腹式で、国の特別天然記念物トキや船、佐渡島などのイラストがかわいらしい。さらに、金色の玉模様が散りばめられた透明の印帳カバーも製作。印帳に被せると全体がキラキラとして、かわいらしさがアップ。玉模様の中には、金山佐渡の歴史にちなんだ金の小判柄が1つ、また佐渡島の形をした模様が1つ隠されているそうです。

これまでに、期間限定の御船印として、全体的に金色を基調とした「世界遺産候補 佐渡島の金山」と記された御船印や他船会社とコラボした御船印等も販売しました。今後も、どんな限定印を見せてくれるのか楽しみです。

両津港のおけさ丸とジェットフォイルすいせい
出港とともに、海鳥が船を追って飛んでくる

いずれの御船印も、地域性を表現するだけでなく、女性らしさと遊び心を兼ね備え、より多くの乗船者の関心を引き寄せてきました。船旅や佐渡島のお土産として申し分ない魅力があります。女性社員の活躍で、今後、さらなる女性の乗船者増加と日本各地の船会社による連携の可能性に期待が膨らみます。

※写真/小林希
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