日本全国を巡って集める 船の御朱印 「御船印」

御船印めぐりガイド

連載記事

【御船印をめぐる旅】
島旅の思い出が詰まった御船印に

船会社:ジャンボフェリー、国際両備フェリー

公開日 2024年02月08日
更新日 2024年02月08日

島国の日本は、400以上の有人島が点在します。そのうちのほとんどは、島への交通手段は船であり、島民にとっては生活に欠かせない重要な存在です。一方、旅行者にとっての島旅は、すなわち船旅でもあります。

ジャンボフェリーのの御船印と
(「こんぴら2」の御船印は現在販売しておりません。)

以前、国産オリーブの発祥地である小豆島(香川県)を旅しました。

早朝にジャンボフェリーのフェリー「りつりん2」で神戸港を出港して小豆島へ。乗船してすぐ、船内のうどんコーナーに直行。「にゃんこフェリー」の愛称で親しまれる船ならではのメニュー「にゃんこうどん」(鰹節、佃煮、オリーブを使ってネコの顔が作られている)を朝食にしました。瀬戸内海で獲れた“いりこ”の出汁が香ばしく、とても美味!

船内の売店では、御船印を販売しています。2021年2月から御船印の制作に取り掛かり、約半年費やして同年7月にデザインが完成。「当初は御朱印と同様に1枚の紙で作る予定でしたが、すでに各社から多様な御船印が販売されているのを見て、もっと独自性を持たせようと社内で決めました」と同社の社員さん。

最終的に“紙1枚”の発想を変え、見開き1枚を折りたたみ、開くと中からオリーブの木が飛び出すという御船印を考えました。社員さん自ら他県の神社に出向き、参考になりそうな“飛び出す御朱印”を見つけたそうです。印刷会社と何度も試作を重ね、船印帳に貼り付けても厚みがでないよう調整したり、日付を記入する箇所はインクが滲まないように光沢の加工を外したり。

私も売店で購入しました。折りたたまれた御船印を開くと、小豆島と島内の観光スポット、航路などが描かれた可愛らしいイラストに、オリーブの木がパッと飛び出しました。1枚千円という高額ではあるものの、毎月コンスタントに売れ続けているのも頷ける力作!

ちなみに、客席(レデイースルーム)はオリーブ柄です。もうすでに、小豆島の旅が始まっているのだと実感して、心が浮き立ちました。

「りつりん2」のにゃんこうどん
ジャンボフェリー「りつりん2」の船内

小豆島を出る時は、国際両備フェリーのフェリー「おりんぴあどりーむせと」で新岡山港へ渡りました。2019年に就航した新しい船です。甲板はウッドデッキが敷かれ、カフェさながらのおしゃれな内装が目を引きます。海が凪いでいる日には、売店でオリジナルコーヒーや軽食などを購入し、読書をする乗船者もいるそう。

同社は、「子供も楽しいクルーズフェリー」を船のコンセプトとしています。客室に入るとすぐにキッズルームがあり、4階の展望デッキは世界的に大人気のアニメ『チャギントン』のキャラクター、ウィルソンのミニトレインに乗れます。

国際両備フェリー「おりんぴあどりーむせと」の船内
国際両備フェリー「おりんぴあどりーむせと」の船内

3階のウッドデッキは、滑り台やブランコも設置されています。子供目線の楽しい船であることはもちろん、大人も童心にかえってワクワクします。

新岡山港に到着後は、ターミナル内で小豆島のオリーブを食べて育った“オリーブ牛”のハンバーガーを食べるのもおすすめ。御船印は、瀬戸内海らしい淡いブルーの配色で、小豆島を代表するエンジェルロードと小豆島オリーブ公園のギリシャ風車が描かれており、船内か新岡山港で購入可能です。

両社の船に乗って、船に乗船してから下船するまでがとことん島旅・船旅だと感じました。どちらの御船印にも旅の思い出がうんと詰まっています!

※写真/小林希
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